保護帽の耐用年数・交換時期について

  1. 基本的にはユーザーの判断となります。
  2. 日本安全帽工業会としましては熱可塑性(PC・PE・ABS)の保護帽では使用開始後3年、熱硬化性(FRP)の保護帽では使用開始後5年です。
    保護帽は過酷な条件下で使用されるため外見に異常が認められなくても、劣化が進んでいることがあります。あごひもやハンモック等の内装品は1年ごとに交換を、なるべく耐用年数以内に交換を推奨しております。
    この期間を制定するに当たりまして考慮しまして点は次の通りです。
    1. ①厚生労働省安全研究の研究レポート
    2. ②類似商品(乗用車安全帽、自転車安全帽)のSGマークによる損害賠償責任期間が3年である。
    3. ③厚生労働省の型式検定の有効期間が3年間である。
    但し、推奨交換時期を経過したのちの保安帽について製造メーカーの責任が免除されるということはなく、重要な考慮事項になります。
  3. 保安帽はしようすることにより性能が低下します。衝撃、キズ、汚れ、日光、薬品、洗剤等は物性赤化となります。物性劣化の兆候が認められるものは早期に交換してください。
  4. 使用頻度の激しいもの、屋外作業の多い場合は短期間での交換が望ましいです。
  5. 帽体は材質により劣化スピードが異なります。また同じ材質のものでも処方が異なるため、物性劣化のスピードは異なる場合があります。
    保護帽は合成樹脂製品です。使用環境・頻度により物性劣化が異なりますので、各職場で交換基準を設定していただくこと望ましいです。

保護帽交換の目安となる、20のチェックポイントです。
以下のような保護帽及び付属品は性能が低下していますので、使用しないでください。
また、一度でも衝撃を受けたものや、改造されたものは、外観に異常が無くても性能が低下していますので交換して下さい。

FRP製帽体 / 熱可塑性樹脂帽体 (ABS・PC・PE・PP等)
1. 縁がかけ又は折れているもの 2. 衝撃の跡が認められるもの 3. すりきずが多いもの 4. 汚れが著しいもの 5. メーカーがあけた以外の穴があいているもの
6. ガラス繊維が浮き出しているもの 7. 着装体取り付け穴にクラックがあるもの 8. 著しい変色が認められるもの 9. 取り付け部(ブラケット、フック等)に異常があるもの 10. 変形しているもの
衝撃吸収ライナー(発砲スチロール等)
11. 熱・溶剤によって変形しているもの 12. 著しく汚れているもの 13. きず、割れが著しいもの
着装体
14. 使用者が改造したもの 15. 環ひもが伸び又は著しく汚れているもの 16. 縫い目がほつれているもの 17. ヘッドバンドが損傷しているもの 18. 汗、油等によって著しく汚れているもの
19. あごひもが損傷し、又は、著しく汚れているもの 20. 成形ハンモックにきずがついているもの